MENU

どちらからお問い合わせいただいても大丈夫です。お気軽にご連絡ください。

営業 9:30~17:00 / 土日祝定休
※1営業日以内にお返事いたします。

インボイス登録事業者 | 営業時間:9:30-17:00 | 休業:土日祝(お問い合わせ24時間OK) 公式LINEこちら

善意だけでは、仕事を守れない。駆け出しの頃に学んだこと。

投稿日:2026-09-13 | 最終更新日:2026-09-13

デザイナーとして仕事を始めたばかりの頃。

まだ実績も少なく、
「まずは経験を積みたい」
「制作したものを実績として紹介できたらありがたい」

そんな気持ちで、無料や通常よりかなり低い金額でお仕事を受けていた時期がありました。

その中に、今でも強く覚えている案件があります。

最初は、とても良い関係でした。

「実績として使っていいよ」

そう言っていただき、私も勉強させてもらう気持ちで、さまざまな制作をお手伝いしていました。

駆け出しだった私は、
仕事をいただけること自体がうれしくて。

頼まれれば、
「やってみます」
と応えていました。

でも、少しずつ状況が変わっていきました。

お願いされる内容が増え、
求められることも増えていく。

一方で、制作に対する対価はほとんど発生しない。

私自身も、
「ここまではできる」
「ここからは料金をいただきたい」
という線引きが、まだ上手にできていなかったのだと思います。

あるとき、制作を進めるために必要なものが揃わないまま納期が迫り、

「これ以上、無償のまま進めることはできません」

とお伝えしました。

そこから、関係は大きく変わりました。

それまで「使っていい」と言われていた制作物についても、掲載しないでほしいと言われるようになり、金銭についても、それまでとは違う話が出てくるようになりました。

さらに、私だけではなく、私の友人にまで連絡が及ぶようになりました。

そこで初めて、

「これは自分一人で対応する段階ではない」

と思い、弁護士の先生に相談しました。

最終的に裁判などには進まず、
しばらくしてやり取りもなくなりました。

ただ、この経験から学んだことは、とても大きかったです。

「信頼しているから書面はいらない」は、違った

当時の私は、

「話せば分かる」
「良い関係だから大丈夫」

と思っていました。

でも、関係が良いときほど、条件は曖昧になりがちです。

そして関係が変わったとき、
口頭だけの約束は、それぞれ違う記憶になってしまいます。

今は、

・制作内容
・料金
・修正回数
・納期
・実績として掲載できるか
・著作権や使用範囲
・途中で条件が変わった場合の対応

など、大切なことはできる限り文字に残すようにしています。

これは相手を疑っているからではありません。

お互いを守るためです。

無料でも、仕事は仕事

無料だから。
安く受けたから。
知り合いだから。

それで、制作に必要な時間や責任までなくなるわけではありません。

むしろ、条件が曖昧な仕事ほど、
後になって負担が大きくなることがあります。

「実績になるから」という理由で価格を下げるのであれば、

実績として掲載できることも含めて、ひとつの取引条件。

今はそう考えています。

たとえば、実績掲載を条件に価格を下げた案件について、納品後にお客様都合で掲載不可へ変更する場合。

そのときは、通常料金との差額についても、あらかじめルールを決めておいた方がいい。

最近、改めてそう感じる出来事もありました。

境界線をつくることは、冷たさではない

昔の私は、

断ったら申し訳ない。
料金の話をしたら嫌がられるかもしれない。

そう思うことも多かったです。

でも今は、

「ここまではできます」
「ここからは別途費用が必要です」
「この条件ではお受けできません」

と伝えることも、仕事の一部だと思っています。

境界線をつくることは、
相手を突き放すことではありません。

長く、気持ちよく仕事を続けていくために必要なことです。

あの経験が、今の仕事の仕方につながっている

正直、当時はかなり消耗しました。

駆け出しの頃の、
ちょっと苦い洗礼だったのかもしれません。

でも、あの経験があったから、

契約の大切さを知り、
記録を残すようになり、
自分の仕事にきちんと価格をつけることを覚えました。

そして、

自分の仕事だけではなく、
お客様との関係や条件そのものを整えることも大切。

そう考えるようになりました。

今のSolettaでは、デザインをつくる前に、
想いや方向性を整理することを大切にしています。

それと同じように、
仕事を始める前に条件を整えることも、
安心して進めるために必要な土台だと思っています。

駆け出しだったあの頃の自分には、

「全部応えなくても大丈夫」
「条件を確認することは失礼じゃない」
「あなたの時間にも、仕事にも、ちゃんと価値がある」

と伝えてあげたいなと思います。

目次